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「あはは。いらっしゃいませー。 仲良しだね?」 言いながら入って来たのは ドリンクグラスが載ったトレイを持ったイケメンな店員さん。 いつから居たのか、入口で成り行きを見守っていたらしい。 苦笑しながら―― あたしを解放した王子はソファに深く座り直して ため息とともに長めの前髪を後ろへかき上げた。 「ミッツさん、見つかるの早すぎだよ。 せっかくサービスしょうと思ったのに」 「ほどほどにしとかないと出禁食らっちゃうよ? 零くん」 悪びれる様子もない王子に、 ミッツさんというらしい店員のお兄さんは やれやれと苦笑して、 テーブルにコースターとグラスをセットしていく。
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