◆10◆

11/30
前へ
/1202ページ
次へ
少しくすんだオレンジ色と透明の液体が二層になったドリンクは、 ドリンクそのものもさることながら、 グラスのフチに挿してある柑橘系のフルーツと、 浮かべられたミントの葉がいかにもオシャレ。 目で楽しむってこういうのを言うんだろうなー なんて思いながら、 小さな泡が立ち上っては弾ける様子をじっと眺める。 「ピンクグレープフルーツスカッシュ。 零くんのお気に入りなんだ。 同じもので良かったかな?」 そう問われてミッツさんに目を向けると、 見事なまでの営業スマイルに見舞われた。 なにそのキラキラ笑顔 イヤとは言わせない作戦ですか? 「イブ。炭酸は平気だった?」 普段炭酸を好んで飲みはしないけど、 別に飲めない訳じゃない。 それにコレ この見た目 美味しくなかったら詐欺でしょ。
/1202ページ

最初のコメントを投稿しよう!

808人が本棚に入れています
本棚に追加