808人が本棚に入れています
本棚に追加
どちらにしても、
今後のこともあるし、ここはちゃんと伝えておかないとね。
「あのね。キミには分からないと思うけど。
バイトでお小遣い稼ぎしてるような貧乏学生に
こんなお店のディナー代なんてそうそう払えないの」
はっきりと直截に告げると、
王子は困ったように眉尻を下げた。
「もしかして、イブ。ここでもワリカンとか言い出すつもり?」
ここでもって言うのは、
ランチのファストフード店で
あたしが別会計を譲らなかったからだ。
「あたりまえよ。
特別な日ならともかく、
学生同士の付き合はワリカン、
もしくは別会計が常識」
とあたしは思う。
俯いて襟足を右手でくしゃりとした王子は、
そのままの体勢で左側に座るあたしに目を向けた。
最初のコメントを投稿しよう!