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手にしたグラスと王子の顔を交互に見比べていると、 「これで最高に美味しくなった」 王子はそう言ってにっと笑った。 なんだかもう、どーでもいーやって気持ちになるよね。 もとより、どう思われても構わないってタンカ切ったのはあたしだし。 王子の態度がイミフなのはある意味デフォルトだしね。 うん。もうホントどーでもいい。 これ飲んでさっさと帰ろう。 半ば投げやりな気持ちで飲んだ ピンクグレープフルーツスカッシュ(長いわ!)は、 最初に飲んだ時には少し強く感じた苦みと酸味が ちょうどいい具合に甘みとコラボってた。 「何これ!? めちゃくちゃ美味しくなってるよ?」 あたしは目を瞠って、その視線を王子に向けた。
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