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「でしょー」 自分はシロップを入れただけなのに なぜか得意げな王子に笑いが込み上げる。 子どもか!! ってね。 でもね。 悔しいけど このシロップの量がちょうどいいあんばい。 なかなかいい仕事をしてくれた王子を褒めて遣わすべきだろうか―― なんて思っていると、 煌々としていた照明が少しだけ暗くなって、 店内にインストゥルメンタルのBGMが流れ始めた。 どうやら開店の時間になったみたい。 「ここは食べ物も美味しいよ。 どうせイブも独りでご飯食べるんでしょ? だったら俺に付き合ってよ」 王子はソファの背に頬杖をついて、 身体ごとあたしの方を向く。
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