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「良太郎。いい加減離れろよ」 王子の忠告に良太郎(と言うらしい)は 腕の力を抜いてあたしを見た。 「イブ。零の匂いがする」 「うん。このブルゾン西園寺のだしね」 「わ。ヤラし」 「何でよ!」 上着借りてるだけじゃん! 悪びれる様子もなく、ははは。と笑いながら ようやく身体を解放した良太郎は 笑う表情はそのまま、 今度はあたしの手を握った。 「初めまして堂野衣舞ちゃん。 零の幼馴染の三上良太郎(みかみりょうたろう)です。 どうぞご贔屓に」 そう言って、きらんと微笑む三上良太郎。 快活な性格をまんま表してるような奥二重の双眸に、 ツーブロックの毛先を遊ばせたヘアースタイル。 少し厚めの唇を弓なりにする仕草も爽やかで 中々な好青年。 普通にしていればな!
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