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「なんだよ零。まだ話してないのかよ?」 「説明しようと思ってたらリョウが邪魔しに来たんだろ」 「あー。あの連れ込み部屋のハナシになった訳ね?」 「うるせ」 「ねぇ説明って何のこと?」 あたしを挟んで交わされる会話に横やりを入れた。 やっぱりこの部屋だけのシステムには理由があるらしい。 「うん。取りあえず。食べながらにしない?」 テーブルにはきっちり3人分の料理が並べられていて、 よく見るとあたしの前に置かれた丼ぶりものだけ、 ご飯の量が少なめっていう気配りまでしてある。 これでも食べないなんて頑なになるつもりはないし、 あたしは頷いて割り箸を手に取った。 まさしく三者三様に「いただきます」を言って 甘辛いタレの絡んだチキンとアボカドの丼ぶりを頬張る。
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