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「だってそっち汚いし」
「イブのせいだろ」
「は? 何であたしのせいになんのよ?」
「温タマ神! とか言うからじゃない?」
……
……
……
「え?」
右側から聞こえてきた涼しげな声に目をむくと、
王子はそんなおまぬけ顔のあたしに
にっこりと美しく微笑んで、
びっくりするような言葉を言い放った。
「イブって案外大きな声で独り言うんだね?」
まじ!?
もしかしてさっきの全部聞かれてたってこと?
かぁっと顔に血液が集中して頬がハンパなく熱を帯びる。
「口に出てた?」
「うん。時々漏れてたよ。な?」
と良太郎に同意を求める王子。
あたしは火照る頬を手で押さえながら
ぶんっと良太郎を振り返った。
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