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鳴り続ける着信音はあたしが設定したものだけど、 こんな時間に電話なんてかけてくる知り合いがいる訳がない。 うー。きっと間違い電話だ。 あたしは手探りでスマホを探し当て、 半分瞼を下ろしたままで画面をタップした。 『イブー助けてー』 は? 回線がつながるなり 耳に飛び込んできた声は―― 「零?」 急速に脳みそが覚醒に向かって機能を始める。 「どうし――」 『牛乳買ってきて』 「……は?」 『だから牛乳買って――』 うん。いっきに目が覚めた。 てか冷めた。 「ふざんけんな。 早朝5時台に叩き起こして牛乳買ってこいって、 あたしはあんたのパシリか!――って、あれ?」 なにか鳴き声みたいなのが聞こえる?
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