808人が本棚に入れています
本棚に追加
鳴り続ける着信音はあたしが設定したものだけど、
こんな時間に電話なんてかけてくる知り合いがいる訳がない。
うー。きっと間違い電話だ。
あたしは手探りでスマホを探し当て、
半分瞼を下ろしたままで画面をタップした。
『イブー助けてー』
は?
回線がつながるなり
耳に飛び込んできた声は――
「零?」
急速に脳みそが覚醒に向かって機能を始める。
「どうし――」
『牛乳買ってきて』
「……は?」
『だから牛乳買って――』
うん。いっきに目が覚めた。
てか冷めた。
「ふざんけんな。
早朝5時台に叩き起こして牛乳買ってこいって、
あたしはあんたのパシリか!――って、あれ?」
なにか鳴き声みたいなのが聞こえる?
最初のコメントを投稿しよう!