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あたしは文句を中断させて上体を起こし、 電話の向こうに耳を傾けた。 うん。たしかにピーピーって生き物の鳴く声が聞こえる。 「鳥?」 ぼそりと口にすると、 王子は盛大な溜息と共に、 あたしを最大限にムカつかせる言葉をほざきやがった。 『……。 イブってお勉強は出来るのに、 頭は悪い子だったんだね?』 な・ん・だ・とー 早朝にたたき起こされて? 牛乳買ってこい言われて? 挙句に頭が悪いだと? もーいい。 相手なんかしてられっか。 通話を終わらせることに決定。 んで、電源も落としてしまおう。 そう決めたのに、 次に聞こえてきた言葉に そんな考えはあっさり吹き飛ばされてしまった。
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