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「前にも話したと思うけど、
あたしに気兼ねなんてしなくていいから。
あたしだってもう親が恋しいなんて年じゃないし、
これからは、お母さんの好きなように
生きてもらって構わないんだからね」
きゅっと唇を結んで黙り込むお母さんに目をむけて、
あたしは滔々と言葉を継いでいく。
「高校卒業するまで、
もう少しだけ経済面では負担掛けちゃうけど、
あたしのためにお母さんが
何かを犠牲にしたり諦めたり……
そんなことはしてほしくないって思ってるから」
じっとこちらに据えられた双眸に、
あたしはにこりと笑ってみせた。
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