◆11◆

23/40
前へ
/1202ページ
次へ
◇◆◇◆◇ 「何度も来てるのにルームナンバーも知らないなんて、 イブって俺に興味がないんだね?」 エントランスからスマホで零に電話をかけて、 設けられた数か所のセキュリティを解除してもらい、 ようやく辿りついた玄関先。 誰もが見惚れるほど 極上の微笑を浮かべてあたしを出迎えた零は、 にっこりと口角を持ち上げて、 さらりと嫌味な言葉を吐きだした。 「も、うるさい。謝ったでしょ。 それよりネコは? どうしてる?」 雨靴を脱ぎ、 零を手で押し退けて部屋に上がったあたしは 返事を聞く間も惜しくリビングへ足を向けた。
/1202ページ

最初のコメントを投稿しよう!

811人が本棚に入れています
本棚に追加