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「で、何が良かったの?」
「思ってたより元気そうで……
それに、零が見つけてなかったら
今頃まだ濡れながら外にいたのかもしれないって思ったら
本当に良かったな……って」
目頭に滲んだ涙をタオルに吸わせた後、
濡れて額に張り付く前髪をタオルで拭いながらそう言うと、
零はベッドの端に腰かけて、柔らかく細めた瞳を猫に向ける。
「雨降ってたしさ、今日は学校もないし、
いつもなら絶対に良太郎ン家に転がり込んでたと思うんだ」
良太郎の家がTIME近くの住宅街にあるってことは
以前、本人から教えてもらっていた。
きっと徒歩でも1・2分くらいしか掛からない所なんだと思う。
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