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てか、放っておいてあげないと零が睡眠妨害しそうだし。 「原チャも適当に置いてきたから移動させなきゃいけないかも?」 そう告げると、零は長いまつ毛を数回瞬かせた後、 驚いた様子で眉を上げた。 「イブ。この雨の中を原付バイクで来たの?」 「そうだよ。だって駅までの時間考えたら 電車使うより原チャの方が早いんだもん」 「タクシー使えばいいじゃん」 はい。出ましたお金持ち発言。 「普通の高校生はやすやすとタクシーになんか乗らないの」 格差を指摘するあたしの発言はいつものこと。 そして、いつものように零は面白くなさそうな顔をする。 ま、そんなの無視してレインコートを取りに行くけどね。
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