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わくわくしながら近寄って覗き込こむと、 身悶えするほど可愛らしい顔が あたしを見上げて『にぁーん』と鳴いた。 「いやーん。 ちょーかわいい! なにこの可愛さ」 真っ白な被毛にピンクの鼻。 うるうるの丸い瞳はまだ少し青みがかっている。 「めっちゃかわいいじゃん めっちゃかわいいじゃん! 真っ白!!」 生後1・2か月くらいかな? 「イブうるさい」 電話を終えたらしい零が横に来て、 小さな身体を両手ですくい上げると、 そのまま自分の胸に抱え込む。 「あ、ずるい。あたしも抱っこしたい」 「原付、短時間ならそのまま置いてていいって」 「あ、ほんと? 良かった。 それより抱っこ!」 「真っ白じゃないし」
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