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「は?」 唐突な言葉の意味をすぐには理解できなくて 抱っこさせろと伸ばした手が、 無意味に宙に留まった。 「ほらね?」 と脇の下に手を入れて差し出された 『にぁーん』 と可愛い声をあげる可愛い生き物。 もう、一挙一動にいちいちカワイイを付けちゃうしね。 ていうか―― 「ぶはっ。 なんで? 何でここだけ黒いのキミは」 『にぁーん』 両脇を持たれてびよーんと伸びた真っ白の身体の先っぽ、 ピンと伸ばした右足だけが何故か黒い被毛に包まれてる。 まるで片足だけ黒いインクに突っ込んだみたい。 「いやもうなに。この可愛さ ヤバい、 可愛すぎ。 てか 危険すぎー 兵器かキミは」 『にぁーん』
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