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「ねえ」
「ん?」
「その仔のことだけど……」
そう言うと、零が顎を上げてこちらへ瞳を向ける。
「これから、どうするつもり?」
あたしは零に視線を戻してそう問いかけた。
片方だけ立てた膝に頬杖をつき、
口をへの字にして視線をネコに戻した零は
ほっそりとした指先で白い背中を撫でながら口を開いた。
「今さら外には戻せないし、
飼ってくれる人が見つからなければ
ここで育てるしかないんじゃない?」
「育てられんの?
生き物育てんのって大変だよ?」
「じゃあイブが貰ってくれる?」
「無理、ウチのアパート、ペット禁止だもん。
あ。てかここってネコ飼って大丈夫なの?」
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