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そう囁いて視線が流れた先は
ラグの端に置いたネコ用ベッドで丸くなるネコ――
の傍らで胡座をかく零。
「そうだね」
短く応えてツンと顎を逸らしたあたしを見て、
那美がぷっと噴き出した。
「まだ怒ってんの?
私は悪くないと思うけどねー」
というのはきっと名前のこと。
受診してもらうのに名前を決めなくちゃいけなかったんだ。
受診票を記入したのは零で、
あたしはそんなこと全く知らなかった訳で、
一言の相談もなく決まってしまってた名前。
「見た目にピッタリだし?」
半笑いでそう言って
またぷぷっと噴き出す那美。
「見た目で決めるなら
もっとかわいい名前あったからっ!
クリームとか!
バニラとか!
女の子なんだから!!」
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