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「イブうるさいよ」 鼻息を荒くするあたしに、 零が眉間を寄せて抗議の視線を送ってきた。 「オセロが起きちゃうだろ」 ぶふっ。 今度はテーブルの向かい側に座る良太郎が噴き出した。 零と同様にラグに胡座をかく良太郎に 非難満載の視線を向けると、 良太郎のヤツは悪びれもせず、 にっと口の端を上げた。 「俺は十分カワイイ名前だと思うぜ? オセロ。ねぇ那美ちん?」 「那美ちんゆーな! 馴れ馴れしい!」 「あらま? イブったら。ジェラスィー? だいじょうぶ。イブのこともちゃんと愛してるよ」 ほらここに飛び込んでおいで。 なんてこと言いながらアホな良太郎が腕を広げる。
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