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「うっせ。黙れ」
「あーあ、零。おまえのせいでイブがやさぐれてンじゃん」
言いながら胡座を崩した良太郎は
零の膝の辺りを足の裏で突っつき始めた。
「俺を巻き込むなよリョウ」
零は、「うざい」と継いで、
良太郎の足にグーで応戦する。
そんなじゃれ合いを笑いながら見ていた那美は、
口の中の卵サンドをごくんと飲み込んで、
「でも健康には問題なしってことで良かったじゃない」
と、話を纏める作戦に出たようだ。
「それはそうだけどさー」
と唇を尖らせるあたしに反して、
ネコ――オセロ(零のヤロウが勝手に命名!)に
あまあまな視線を送り続けていた零が、
ようやく顔を上げて、
上機嫌な笑顔を那美に振る舞った。
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