◆プロローグ◆

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確かに血が通う薄っぺらな身体は、 けれど今はただ体温があるだけの人形と同じだ。 スイッチが切り替わったように、 心と身体が乖離している。 その日習った英文だったり、 数学の方程式だったり。 あ……そういえば明日、 数学の小テストあるんだった。 帰ったら勉強しなきゃ。 なあんてことを考えたりしていて。 「っ……いぶっ……」 激しい息の下、 名前を呼ばれて目をあけると、 穂鷹(ほたか)は蕩けるように微笑んで 唇を落としてきた。
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