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しばらく咥内を蹂躙された後、
抱き寄せるように背中を軽く持ち上げられて
一段と激しく身体を揺さぶられる。
汗だくの肌に触れる部分が不快だけれど、
あたしは穂鷹の肩越しに見える
壁掛け時計の秒針を視線で辿りながら
ただじっと時が過ぎるのを待った。
「衣舞……」
呼びかけに答えるように
シーツに投げ出していた手を持ち上げて、
引き締まった広い背中に回すと、
背骨が軋むほど強く抱きしめ返された。
「気持ち……いいか?」
耳元で囁かれた問いに「うん」と応える。
「気持ちいいよ?」
荒い息を吐き出す穂鷹とは
明らかに異なるテンションのあたしは、
それでも彼の喜ぶ言葉を唇から吐き出した。
早く終らせたくて――
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