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「教室戻る前に手と顔……洗った方がいいよ」
「ん? ああ。血がついてる?」
「うん」
「そっか。……イブは血が嫌いなの?」
アーモンド形の綺麗な瞳であたしの目を覗き込み、
いつにない真剣な顔で問いかけてくる王子に、
あたしはくすりと笑って応じた。
「血が好きな女子はあんまりいないと思うよ?」
「たしかに……だね。じゃあイブは教室で待ってて」
王子はそう言い置いて、さっさと階段を下りて行った。
なんだこれ?
なんでフツウに会話成立させちゃってんの?
あんなことがあったばかりなのに。
あたしも相当イカレてる。
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