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「ねぇイブ?」 まるで機嫌を取るような甘い声。 唇を噛んで不機嫌な視線だけで応えるあたしに、 「バイトの時間は大丈夫?」 王子は全くもって常識的な疑問を放ってくれました。 話の流れを考えると、 とても非常識だと思うのはあたしだけだろうか! だけどやっぱり現実に目を向けて ついでに腕時計に目を向けると―― あ。結構ヤバい。 「時間ないんでしょ? だったら乗って。 続きは車の中で話そ?」 そう言って背中を押された。 乗りたくないけど。 王子がすんなり電車で帰らせてくれないとなれば 本当に遅刻しちゃいそうな時間だし、 あたしはしぶしぶ車に乗り込んだ。
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