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バレなきゃいいとか、
罰せられなきゃいいとかじゃないんだよってこと、
ちゃんと王子の心に届くように……
うーん。
て言うか。
ムリかも?
だって根底から違うワケでしょ?
考えあぐね、
マットの上に置きっぱなしだったスクールバッグを膝に乗せると、
あれ?
バッグの下に何か落ちてる。
「これ……キミの?」
革製の黒い名刺入れのようなものを拾い上げると、
それを横目でちらりと見た王子の眉が上がった。
「あれ? 免許証入れ落としてた?」
「うん。ここに」
「まじかー。良かった車の中で」
ありがとう。イブ。
なんて言いながら右手をこちらに差し出す王子に、
ケースを渡しかけて――
引っ込めた。
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