百ドルの使い道

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「今日は何も買わなかったのかい?」 車のキーを挿し込みながら、父親は青い目でリサに微笑んだ。 パパは普段もそうだが、笑うと余計にバービーのボーイフレンドの「ケン」そっくりになる。 「うん」 少女は頷くと、シートベルトをカチャリと締めた。 「いえ、一ドルだけプレゼントを貰ったわ」 リサの視線の先では、虹色の箱を抱いた少年が底抜けに明るい笑顔で手を振っていた。(了)
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