54人が本棚に入れています
本棚に追加
一しきり抱き合った後、彼はあたしの枕を使い、あたしは彼の腕を枕に眠る。
最初は逆だったが、彼は枕がないとよく眠れないらしく、自然とそうなった。
阿建の腕は太くて柔らかいので枕に丁度いい。
今日は疲れていたのか、隣からはすぐ規則正しい寝息が聞こえてきた。
甘酸っぱい洋梨の匂いがまだうっすらと二人の上を漂っている。
最初に聞いた通りの年齢ならば、もう二十歳になるはずだけど、こんな風にして寝入っている横顔を見ると、阿建は十八にもなっていないといつも思う。
あたしも本当は十六だと打ち明けていないから、彼の中では十九の女になっている。
最初のコメントを投稿しよう!