ニンフェア、6歳。

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入学式は初等科のみらしく、中等科や高等科の生徒も後輩を見に来ていました。この後に始業式でもあるのでしょう。とても広い講堂には、保護者も含めて2千人ほどいるのではないでしょうか? 「たくさんいる…」 「先輩達が歓迎してくれているんですよ。笑顔でいれば、皆さんも笑顔になります。」 少し怯えた様子でしたが、少しコツを教えてあげると笑顔になりました。やっぱりマスターは笑顔が一番可愛いです。 「ご入学おめでとうございます。ニンフェアくんですね。君のクラスは1-Aです。クラスの席まで行って、座って待っていてください。お名前を呼ばれたら、元気に返事をしてくださいね。」 受け付けの中等科の生徒らしき人が、マスターの胸の位置に花型のリボンを付けてくださいました。どうやら、私とマスターは少し離れる事になりそうです。 「ではニンフェア、がんばってくださいね。」 「はい!いってきます、パパ。」 子ども用の小さな椅子が集まっている場所に行き、どこに座ろうかとオロオロしていましたが、近くの髪の赤い男の子に何か言われて座りました。大方、あの子が隣に誘ってくれたんでしょう。………うんうん。ちゃんと自己紹介もしてるみたいですし、このまま仲良くなれるといいですね。 「ただいまから入学式を始めますので、ご着席をお願いします。」 おっと……始まりますか。 「お隣、失礼します。」 「あ、はい。どうぞ。」 隣には、真っ赤な髪の夫婦。………もしかして…ね。
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