ニンフェア、6歳。

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「いえいえ。元気でいいじゃないですか。あ、これ、名刺です。もしよろしかったら。」 「ありがとうございます。」 一応、大人の挨拶なので、常に持ち歩いている簡単な名刺を渡した。あちらも男性の方から名刺をいただきました。ほう、お医者様でしたか。すごく頭いいじゃないですか。キースくんも頭がよろしいのでしょう。肩書きを見て、2人は驚いている。 「"魔法陣設計士"…!?」 「はい、まだまだ未熟ですが。」 魔法陣設計士とは、生活や戦闘など、様々な場面で使われる魔法陣を描く仕事を主にしている人間の事です。精密な作業と強い忍耐力が必要なことからあまり人数が多くない上、魔法陣の需要が高いので、かなりの高給取りと知られる職業のひとつとも言われています。人間関係の中で、どんな職業に就ているかも重要だと聞いたので、マスターのために少しがんばって知識と技術を磨きました。 「片親でこの子の世話をしながらですとなかなか家を空けられなかったので、家でできる仕事を探した結果ですよ。」 私は、魔法陣設計士の中でも最も高度な技術を必要とする"戦闘系防御魔法陣"の設計をしています。"生活系魔法陣"は各家庭に行って魔法陣を刻まなければいけませんが、"戦闘系"は魔力を混ぜ込んだ魔法陣用の紙に魔力を混ぜ込んだインクで描くため、家を出なくて良いんです。 「そうなんですか。まぁ、これからもうちの子共々仲良くしてやってください。」 「こちらこそ、よろしくお願いします。」 そこまで職業を気にする人では無かった様でよかったです。これからも仲良くやっていけそうですね。
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