第4章 常識・・・崩壊!

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魅沙の反応が無い。 呆れているのだろうか。 余りに突飛な事を言い出す俺に、愛想を尽かしてしまったのかも知れない。 それを。 魅沙の表情を確認するのが怖くて、俺はそっぽを向いたまま。 その時。 ふわり。 微かな風が吹いて。 俺の頬を、長い髪が撫でた。 魅沙の香が、強く感じられる。 「マサ。」 いつの間にか。 魅沙は再び俺に接近して。 耳元で、囁いていた。 「いいじゃん、それ。」 「・・・!」 驚いたのは、俺の方だった。 おまけに。 いつか感じた事のある。 頬に、柔らかい、感触。 「み、魅沙!?」 「そっかぁ~!」 振り向いた時には。 魅沙は逃れるように、軽く駆け出していて。 「そっか、そっかぁ!」 何故か。 ホント、何でかは解らないけど。 さっきの何倍も嬉しそうな顔で。 くるくる。 くるくる。 ダンスを踊るように、身を翻す、魅沙。 「あははは!そっかぁ!」 笑いながら、笑う魅沙を見ながら。 本当の魔法使いは、この魅沙なんじゃないか、と。 そんな事を考えていた。 その証拠に。 ほら。 俺はきっと。 魅沙の魔法に、かかっている。 多分。 この先。 ずっと解けない、魔法。 「ねぇ、マサぁ!」 魔法使い様のお呼びだ。 俺は若干急ぎ足で。 そちらへと歩き出した。 [完]
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