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目の前に、ミナトがいる。 真剣な顔で。 ドキドキ…… ヤバイ……緊張が……、 「ーあのさ、」 ドキン! 「は、はいっ?」 ミナトの顔が近付いてくる。 ヤバイー、これってもしかして……。 「ーサキ……」 「ミナト……だ、ダメだって…こう言うの…だっ」 だってまだ…って言おうとしたら、ミナトの言葉に遮られた。 「良いだろ?サキならやってくれるよな?」 「だ、ダメだって……」 どんどん、近付いてくるミナトの顔に私は目を閉じていた。 「…数学、わかんねーんだよ!」 「え、?」 急にミナトの顔は離れて、机の上に数学のノートが、置かれた。 「サキ、教えて?」 え、えぇ! それだけだったの…? はぁぁ…… やっぱり、期待した自分が馬鹿だった……。 「教えて?」 「うん、いいよ」 しょうがない。 今はまだこの関係のままかな。
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