1人が本棚に入れています
本棚に追加
目の前が暗く、私の心にひびが入ったように感じた。
「…今、なんて?」
「え~、だから、あたし…ミナトくんが好きなのー!」
そんな……。
妹と好きな人がかぶるなんて……。
本でもテレビでも聞いた事がない……。
「え、でもさー!ユリ、ミナトはユリより歳上なんだよ?」
「ううん、知ってる。でも、好きなのー」
好きな人がかぶると、ユリとは姉妹なんてやってられないかもしれない……。
私だって、ミナトが好きー。
「でも、ミナトって歳下に振り向くかな?」
「ヒドい…ヒドいよ…。っう…好きなんだよ…っ」
あ…、私はユリを泣かした。
初めてだった。
「ご、ゴメン…。」
「っ協力してくれる…?」
「………うん……」
したくない、したくないよ…
私だってミナトが……ミナトが…好きなんだもん…。
「…ありがと、お姉ちゃん」
ユリの笑顔が、初めて憎いと思った。
ユリが出て行ってから、私は泣いた。
とにかく、泣いた。
ミナトー。
最初のコメントを投稿しよう!