第一話 はじめての恋の病

8/103
前へ
/1092ページ
次へ
「雛―、怒った? ごめんねー?」 もう、今日はさやかとも大ちゃんとも口聞いてあげない。 「ほら、雛の好きないちごミルク買ってきてあげるから」 そんな物じゃ、あたしの機嫌は直りません。 「じゃあ、俺の弁当の玉子焼きは?」 うーん、確かに大ちゃんのお母さんが作る玉子焼きは美味しいから、ちょっと気持ちが揺れそうになる。 「え、じゃあ私ピクルスあげるよ。サンドイッチに入ってたやつ」 さやかがそう言ってピクルスを一枚つまんであたしの目の前に差し出したから、思わず振り返って怒鳴ってしまう。
/1092ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2302人が本棚に入れています
本棚に追加