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クライアントの名はアオイ。22歳。丸顔で細い目。よく笑う感じの良さそうな小柄な女性だ。
ーーー今、彼女は、集中治療室の中にいる…。
短大を卒業したアオイは、一年間家事手伝いをしていた。
別にやりたい仕事はなかった。結婚して幸せな家庭を築きたい。
大学も親に言われて何となく入り、卒業した。
合コンで知り合う男はまだ遊びたい盛りの大学生。学歴のプライドを鼻先にぶら下げて、アオイの体だけを求めてくる。
初めは、それもありかとアオイも思っていたが男は体だけが目的なんだとわかると興ざめして、合コン自体も敬遠するようになった。
今まで親の敷いたレールに黙って乗ってきたアオイ。就職してもたかが知れた給料でこき使われるのがイヤで就職はしなかった。
友人のつてや結婚相談所に通い、永久就職のアテを探す日々を暮らしていた。
そんな時、結婚相談所で一人の男に出会った。
パリッとスーツを着こなすお洒落な男性だ。色黒で小柄でがっしりした体型の男性は、48歳。名前を伊藤ヨシヒロと言った。
普通ならアオイも会うことすらしなかったであろうが、魔がさしたのであろう。
税理士で年収2000万以上。同年代の男に飽きていた頃。アオイは興味半分で会うことにした。
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