第1章

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ガンッ 俺の椅子が蹴られ 俺は地面に転がる。 けど 何事もなかったかのように蹴った奴は席についた。 いつもことだ。 八つ当たり。 このクラスにいる奴大半 俺を虐め楽しんでいる。 【相変わらず惨めだな】 脳内に響く冷たい声。 俺の中にいる悪魔…自称地獄の王 閻魔だ。 俺はそいつと契約した。 煩い。 と返した。 【俺なら奴を傷めつけられるぞ。 なんならこの高校をお前のものにしてやろうか?】 うるさい。 あんたが俺の体を使っていいのは あんたの世界の奴が出てきた時だけだろ? チャイムがなり先生が入ってきた。 【だから言っているんだ。 奴の体には邪気が宿っている。 そして 時期に喰われるだろうな。】 『はぁっ?』 「ん? どうした?神原」 『え? あ…すいません…何でもないです。』 思わず声が出てしまったみたいだ。 【ククッ…無様だな。】 ……それより さっきのどうゆう意味だ? 【それを言ったら面白くないだろ?】 契約違反だ。 あんたの世界の奴が出てきたら退治する だから俺は契約したんだぞ? だからあんたは…死なずに済んだ、そうだろ? 【…そうだな。 だが 出てきたら、だろう? まだ出てきたとは言えない。 狙いを定めてる段階だ。 奴が喰われた時、初めて出てきたと言える。】 俺は彼奴を助けたい。 【…だから…嫌いなんだよ貴様は。 虐められたなら憎めばいいものを憎まず 弱い癖に助けようとする。 奴のように貴様が歪み、邪気を宿せば 一瞬で我が体を乗っ取ってやるのに…。】 なら尚更歪めないな。 彼奴は俺を虐めるけど俺のクラスメイトだ。 死んだら困る。 【……本当に貴様は…はぁ。 放課後、体を借せ。 奴の邪気を喰ってやる。】 わかった。 【放課後になったら我を起こせ。】 …眠ったか。 「神原! この問題答えてみろ。」 『はい。』 俺は前に出て黒板に答えを記入し 席に戻った。 その途中 足を掛けられ転びそうになったがなんとか持ち直し 転ばずに済んだ。 …校庭を眺める。 今年で高校二年生となったのはいいが 中学の頃から続く虐めはエスカレートしていた。 この高校は中学から大学までエスカレーター式で進学出来る。 …あの悪魔、閻魔とは高校一年生の時に出会い 契約したんだ。
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