第0章-始動した終焉-

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「き、貴様!住んでいる者達の住む場所が無くなる、意味もなく苦しめる必要があったのか!!」 鎖で繋がれている為、近づくことはできないが力の限り皇帝へと襲い掛かる 「安心しろ。焼き払ったのは夜、真夜中だ。誰も起きてはいない。一斉に油を撒いて火を付け、国内から出れないように国を封鎖した。焼かれている間は苦しかっただろうが、今は安らかに全員死んだ。はっはっは」 皇帝は言い終わると高らかに楽しそうに笑う。まだ年齢にして10代後半の皇帝の顔は幼く、あどけなさが残るが、言っている事、やっている事は悪魔の所業である 「き…貴様、国民を全員殺したというのか…」 自然と溢れる涙を抑えきれずに泣くしかない自分の無力さを悔いる 「それでな、お前も生きていても可愛そうなので、これから処刑ってことになったので。よろしくな」 それを言うと立ち上がり牢獄を後にする 自分が処刑される。それすらも他人事に思えてくるほどの深い悲しみの中にカイザーは浸っていた。父が死に自分が国を引き継いだ。富国ではなかったが、食物の実りが豊かであり、帝国の税を欠かすことなく払うことができていた。国民も自分の政策を理解してくれて、母も家臣たちも良くサポートしてくれていた 「貴様は…貴様は神にでもなったつもりか!!何の権限があって人を殺す!貴様は…絶対にゆるざん…くっそおおおおおおおおおおおお」 泣き喚くカイザーの声だけが牢獄に反響し続けた
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