第19章

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レパードの残像が増えて、何人ものレパードが攻撃を仕掛けているように見えてくる。最早強化された魔王の眼でも追うことは適わない。人間であるジーザスに捉えることなど不可能だ 左右、上下、前後ありとあらゆる方向からの剣撃をジーザスは防ぐので精一杯だろう。しかし、この攻撃を致命打を避けて躱し続けているジーザスの性能は目を見張るものがある 「おいどんも行くんだな~【音打雷撃】」 魔力を練っていたジンライが魔法を放つ。力一杯太鼓を叩くと電撃が地面をはしるようにしてジーザスへと向かっていく。先程の電気の球体とは打って変わって、高速で接近していくし、レパードの動きの邪魔にならないように進んでいく…できるなら初めからやればいいものを… 地面から電撃がジーザスの身体を捉える。威力こそ高くはないが、一時的にジーザスの身体の動きに制限を駆けることが出来るくらいの電圧はあるようだ。その隙を狙ってレパードの剣が襲い掛かる 「っく…【ウェイブ・ショック】!!」 ジーザスを中心にして波動が広がっていく。部屋の床を破壊し、天井の装飾を剥がし、見物している魔物、魔族達にまで波動の影響を与える。魔力の溜めも詠唱も無しでこの威力…やはり天才だなこいつは 一番近くにいたレパードの身体が波動によって弾かれ、ジンライは壁まで飛ばされると壁にめり込んで停止した
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