第19章

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レパードの脚がガクガクと震えている。先程まで超速で動き回っていたが、そのツケが回ってきたのだろう。特殊能力【駿脚】の効果時間は思ったよりも短い。恐らく魔王軍でも群を抜くほどの速さを手にするが、もろ刃の剣と言ったところだな 「全く困ったものなのだよ…。足が言うことを聞かないのだよ」 まあ、こいつらにしては良くやった方か…ステータスが高いと言っても経験値が一切ない。オモカゲのように最初から強者とはいかないもんだな 「もういい、会議の時間が迫っている。アレニエに怒られるのは俺なんだぞ。もっと二人とも進上しろ。ムウ…お前も随分と強くなったようだな。いけるか?」 「御意」 短い一言を放って一歩前へと踏みでた黒装束の細身の魔族【影潜戦士:ムウ】。影に潜み隠密行動を得意とする、諜報活動のスペシャリストだ。今じゃ帝国の情報をかき集めてくれている、魔王軍で魔王がオモカゲとは違った意味の信頼を寄せている魔族である 身体付きも細身ではあるが、厚みが出た気がする。放つ殺気も、その存在感も、生まれた時とは違って強者の物である。だが、正面から敵を迎え撃つのは、なかなかないだろう。ムウの真骨頂は暗殺...さてどうなるか
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