第19章

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ジーザスの腹部から血が噴き出す 影から伸びた剣がジーザスの腹を貫いたのだ 「…影から出る瞬間の僅かな殺気を見切ったか。心臓を一撃で貫くつもりだったが」 背中まで貫通した傷は痛々しいと言う他ない。流れる血の量は、ジーザスに残された時間の少なさを物語っている。それでも剣を構える体制は一切崩さない…若いと言ってもさすが名門の生徒というだけある 「一度死に…魔族となって甦ることが出来るのだ。喜べ人間」 「君達は一体…レアンちゃんは洗脳でもされているのか…」 苦しそうな表情、死にそうな傷を負って尚、好いている者の心配とは恐れ入る。その好きな女に裏切られていると認めたくないという気持ちもあるのだろうが… 「まあ洗脳に近いのかもしれないな。我が王のことを心底好いている…」 ムウはそう告げると地面を蹴ると走り出す。まともに動けないジーザスへとトドメをさすつもりなのだろう。影からではなく、直接真正面から…
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