第20章-調査開始-

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「まずワシらの大きな目的は帝国の横暴を抑止するということじゃ。魔導王殿の情報によれば、皇帝は今まさに、魔国領土である【シェガ家】を訪問中との事じゃ。闇魔法、人体実験…数々の悪行が目立つが、考え得る限りでは最悪の組み合わせじゃ。なんとしても止めねばならん」 確かに皇帝とシェガ家の組み合わせは脅威ではある。何をしているのか分からないが、良い事ではないだろう。なにせ皇帝の相手をしているのは一度魔導王にも捕まっているアギトだしな… 「俺は戦争は断固として反対だぞ。平和的解決が最優先…戦争なんてのは最終の最終手段だぜ」 ジンギスの言葉は重く深い意味を持っているかのようだ。現にブルーウルフは、人助けの為に作られたギルドであり、ボランティアなど報酬の無い依頼も進んで受けるのだ。五大王国同士の衝突を避けるために各国に通い詰めて緊張の緩和を行っているほどである 「しかし、こちらから何らかの動きをしなければなるまい…あちらから仕掛けられて大損害を負った後では遅いのだぞ」 「だけどよ~シグマ。…戦争で喜ぶのは一部の者だけだろう。この世の大多数を占める者は戦争による被害を望んでいない。今の平和な状態が続くことを願っているに決まっているだろう」 「悠長な事を言っていれば、先手を取られる。相手はあの皇帝なのだぞ…歴代皇帝史上最年少にして最強だ」 シグマは立ち上がってジンギスに向けて強い言葉を吐く。これを見る限りでは皇帝との間に何かあったに違いない…
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