第20章-調査開始-

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「だからって戦争になるのは反対だぞ」 ジンギスは再確認するように声を張り上げて忠告する。ジンギスとシグマの意見が合うことはこの先ないだろう。そう思わざるを得ない… 「…すぐに戦争となるわけではないじゃろう。異世界人だけでも消せればと言う話じゃよ…しかし、ワシらでは顔が割れとる。帝国に侵入などできんじゃろうし…」 「この際、革命を防いだ共和国に協力を頼むのはどうだ?」 ユトゥとシグマ、まるで打ち合わせされていたかのように自然な流れで、共和国へと話をすり替えられる。実際この話の流れは王国と魔国で先に打ち合わせされていた物だろうが… 「どうだい、クウォール家当主…アッシュ殿」 アーサー王がアッシュの名を呼んだことで、この会議上にいる全ての者の目線が自分に向けられている事はアッシュも肌で感じ取ることが出来ているだろう。共和国の謎の新勢力については色々な仮説が立てられているが、どれも確証を得られるレベルには達していないのだろう。ここにいるどの勢力も共和国についての情報は喉から手が出るほどに欲しいはずだ 断ればここにいる者達から不信感を抱かれる。もしかすると同盟から排除される可能性まである。だが、情報を流せば一気に魔王軍は危険に晒されることになる…
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