第20章-調査開始-

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「兄ちゃんどこまで乗っていくよ?」 乗らせてもらった馬車の馬の手綱を持つ中年の男性が、カイザーに向けて大声を出す。メリカの街に移動用の馬車屋があってよかった。金を払えば目的地まで乗車させてくれる。とりあえずは隣の小国まで乗せてもらおう 「リンダまで…」 「リンダ?!兄ちゃん物好きだな~」 リンダとはカイザーの治めていた国の隣に位置する国であり、治安の最悪なことで有名な地である。常に周りの国から警戒され、国の中では強者が王座を廻って戦いを繰り返している 「ああ、そこに用があるんだ。傍まで行ってくれればいい…」 「そりゃまあ、怖いからな。国の手前までで頼むぜ...丸一日くらいかかるから適当に寝たりしててくれよな」 「ああ…そうさせてもらう」 手綱を持つ男性とカイザーの乗っている席とを隔てているカーテンのような物が閉まり、男性の姿が見えなくなったのを確認すると自身の影からソンブルを呼び出す
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