第20章-調査開始-

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夢だと分かっていても、目の前で知っている人間が苦しみ、死んでいくのは耐えることなどできない。カイザーは泣き叫び、拳を振るって皇帝や騎士に向かうが、当たることは無い 何時間?…何分間?いや、何秒かもしれない カイザーにとって、とにかく長い苦痛の末…シケット王国からは生気が消えた 「さあ、貴様ら!儀式を開始する!…異世界より余の順従なる僕を呼び出すぞ」 子供のように笑う皇帝が見える。地面に膝を付いているカイザーの視界からドンドンと離れ、騎士と共に高笑いをする声だけが聞こえてくる 燃え上がる街…その明るさよりももっと明るい光がシケット王国中を包み込む。神々しい光を浴びたシケット王国へと響き渡る美麗な声が意識が途切れる間際でカイザーに聞こえてきた 『―――異世界召喚要請…承認…―――』
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