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「本日の処刑は見せしめだ!皇帝に逆らえばどうなるかを知らしめろ!」
見せしめ?何を言ってるんだこいつは…俺は何もしていない。勝手に人の人生を弄んでいるのは貴様だろう…まあ、いい、これでエレナのところへ行ける
「さて…この男の罪状を読み上げろ」
皇帝の言葉に小太りな大臣が返事をして帝国民たちが見つめる中、前へと出て一枚の紙を広げる
罪状?ふざけるな…俺に罪はない
「シケット王国国王であったカイザーは、そちらにおられる、皇帝の妃であるエレナ様に手をかけ、あろうことかエレナ様を渡さなければ自分の国であるシケット王国に火を付けると皇帝を脅した!!!」
は?何言ってるんだこいつは…エレナは死んだ。国も焼かれた…
カイザーは力なく顔を上げて処刑台から皇帝の座る椅子を確認する。皇帝は装飾の施された鎧を装備しており、その横に見慣れた顔の女性が座っている
「エレナ?…」
自信の許嫁であり、愛する者、エレナがそこには座っていて驚いたような顔でこちらを見ていた。驚きのあまり声が出ず、唖然とする
「今日は余が自らこの罪人を葬ってやろう。愛する妻を狙った不届きものをな!!」
そういって立ちあがりゆっくりと縛り上げられたカイザーへと向かい歩いてくる。その顔はにやけておりカイザーは胸の奥がキリキリと痛むのを感じた
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