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「やけに落ち着いてんじゃねえか…まあいい、まだあるかもしれねえからよ。調べさせてもらうぜ」
片方が地面に貨幣の袋と剣を置いたのを確認して近づく。近づいてくるとボロボロの布の中に軽装ではあるが鎧を装備しているのが分かる。意外と用意はいいようだが…
「ウヒヒ…男の身体を触るってもの悪くねえかもな~」
汚い手がカイザーへと迫る
ギリギリまで溜めていた殺気を目の前の賊に放つと賊の動きが、ビクつくようにして一瞬止まる。極限まで範囲を狭めた殺気なので後ろで見ている賊には分からなかっただろう
「なっ?!」
その隙をカイザーが見逃すはずがない。地面に置いた剣を蹴りあげると目の前の賊の顔すぐ横でキャッチする。鞘から抜いて置いたので刃が既に剥き出しである剣はギロリと月明かりで煌めく
「ふんっ!!」
柄を力強く掴むと引き寄せるようにして、剣の刃を賊の顔の上で滑らせる。果実から溢れ出る果汁の様に紅く、赤く、朱い血が溢れだして賊の顔が真っ二つになった
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