第20章-調査開始-

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バンテの剣をギリギリで躱したカイザーが剣を振り上げる。バンテの脇腹を捉えた剣はバンテの肉の感触をカイザーに伝える 「なっ…?!」 「油断は確かにしたな…お前がそれほどの動きを見せるとはなあ。くっくっく…だが、魔力の通っていない剣など通らんぜえ」 バンテの脇腹で停止したカイザーの剣はバンテの皮膚に傷をつけることはできていない。魔力でコーティングされたバンテの皮膚は鉄のような硬度を持ち、容易くカイザーの剣を止めたのだ バンテのニヤリと笑った顔が見えると、身体を捻って剣を振り降ろしてくる。カイザーは咄嗟に地面を蹴ると後ろに飛び退くようにして距離を取る。バンテの剣はカイザーの鎧を斬り裂き、その下の皮膚を皮一枚捉えて通過した。パッと血が宙を舞ってカイザーと共に落ちる 一瞬の出来事だが、長い時間に感じる走馬灯のような体験をしたカイザーは背中から地面に落ちる。痛む胸を無視して再度飛び退くと素早く立ち上がって剣を構える 「くっくっく…尋常じゃねえ動きだなあ。普通なら今ので死んでたし、背中からこけた時点で終わってた…いいねえ、面白いねえ」
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