第20章-調査開始-

40/72
前へ
/1840ページ
次へ
胸の傷は深くない。血こそ多量に流れているが痛みも動けない程ではない。魔力さえ使えればすぐにでも再生能力で再生するのだが…今は魔力に頼ることは出来ない。無いものは無い、あるもので戦うしかないのである 身体能力で言えば互角…しかし、魔力で敵の方が数段強くなっている。ここまでの動きでまだバンテは本気を出してはいないだろう。その証拠に剣に魔力を少ししか乗せずに、身体に魔力を通わせている…舐めているわけではないだろうが、こちらが魔力を隠していると思っているのだろう。勘違いをしてくれて助かった... 先程の攻防も、もしバンテが魔法剣で殺しに来たらこんな傷では済まなかっただろう 犯罪者SSランク…ノーデルの素材となった犯罪者Sランクのジャックマンとは違う。ジャックマンの場合は貴族を多数殺した凶悪さでSランクだったが、バンテは完全に実力の伴ったSSランクである 「くっくっく…てめえは良い動きをする。どうだ?俺様の下につかねえかあ?」 「貴様の下にだと?」 「そうだぜえ、お前はここで死なずに済むし、俺は戦力を得る…どうだあ?俺様達が絞めていたリンダが正規ギルドSSSランク【-覇-】の幹部に奪われちまって大変なんだぜえ…俺達の上にいる闇ギルド【大罪】にすげえ怒られて部下の半分失っちまったし、1ヶ月以内にリンダを取り戻さないと俺は逃亡生活になっちまう」 「ふん…所詮は奪われる側の者か…。俺は奪う側だ、貴様の下になどつかん」
/1840ページ

最初のコメントを投稿しよう!

33983人が本棚に入れています
本棚に追加