第20章-調査開始-

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「くっくっく…仕方ねえ。俺様も早めに金集めて兵を借りなきゃいけねえんだ。貴様の金品売って足しにするぜえ」 ボウッという音と共に大気が震える。高密度の魔力が発生した際に起きる現象に似ており、カイザーの目の前に立つバンテが魔力を全開にしたことが原因である 剣に纏わりつく魔力は氷属性だろう。地面に生える雑草が凍って、そこから徐々に地面が凍っていく。魔法も発動せずにここまで凍らせることができるのはやはり実力があると認めざるを得ないだろう 「死んで後悔しろよお」 完全に魔力を解放したバンテの身体の切れは先程の比ではない。さっき剣を防いだように剣の軌道から予測して防御を行うことなどできないだろう。カイザーの頭の中に死の文字が浮かぶ 「ふっ…ここまで来ても死への恐怖は無いのだな。俺には…」 引くどころか一歩前進をしてバンテとの距離を詰める。振り降ろされる直前にバンテの腕へと身体をぶつけて剣が当たるのを防ぐ。思い切り背中を強打されたカイザーの口からは苦痛の音が出るが、怯まない そのまま腕をバンテの身体に巻きつけると力の限り押し込む
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