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テッドの記憶にあるのは父親が泣きながら死にかけのテッドを抱きかかえて、誰かに何かを訴えている場面
「助けてくれたのは【-覇-】のギルドマスター【オメガ様】だった…」
「そうか、それで生き残ったのか…良かった…エレナも俺も気がきではなかったからな」
「…んで?カイザーは民衆の前で皇帝に処刑されたんだぜ?俺もその処刑は見ていたし」
「何故か…その問いは俺には分からん。気づいたら死んだはずが生きていた…だが、これは同時にチャンスだとも思った。あの皇帝に復讐する機会が与えられたのだと」
カイザーの言葉は力強く、怒りが籠っている
「しかし、すげえ魔力だな。昔とは大違い…いや、蘇って得たのか?性格も身体付きも全然別人だ」
「詳しくは知らん」
「まあ、カイザーはカイザーだよな。死んで生き返って出会えたんだ。良かったじゃんか…んで、何処へ行くのよ?」
「とりあえずリンダを目指していた。そこからシケットへ向かう」
「…やっぱり何も知らねえのか」
「帝国内でもシケットの情報は上がっていなかったからな。自分の眼で見に来たんだ」
「そか…まあリンダまで一緒に行こう。俺もこいつら【ノンシュガー】の殲滅報告しなけりゃいけねえしな」
テッドは何か隠すような、口ごもった話し方をしていたが、カイザーはあえて気にしないようにした
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