第21章-調査2-

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「肉体強化とはちょっと違うのか…さしずめスピードの強化ってとこか。いくら早く動けても僕の眼の前では無意味さ」 レグザが言い終わる前にレパードが動く。元々ステータスが2000あるレパードの 速さは自身の特殊能力である駿脚によって3倍まで引き上げられていた。普通の人間ならば、この動きを追うことは不可能だろう。残像が次第に増えていき、ジーザスと戦った際と同じくらいの量の残像がレグザを囲む 「ほう、これは凄い曲芸だな。しかし、捉えるのは容易だよ」 剣の切っ先を向けて突っ込んでくるレパードの残像達に一切の焦りもなくレグザは落ち着いた表情のまま構えに入る と、次の瞬間 レパードの剣の切っ先を指でつまんだレグザの姿があった 「君は一人…増えることなどない」 「な、何故…この速さでも駄目かっぐああっ!!」 レパードの顔面に拳の強打が入る。しかし、吹き飛ばされそうになるレパードの剣を引き寄せる事で再度戻し、今度は膝蹴りを入れた、そして再度戻して剣から手を放し、両手の掌をレパードの腹部に押し当てて吹き飛ばした 骨の軋む音…いや、砕ける音が周囲に響き、レパードの口からは血と胃液が吐き出される。剣を手放し、その勢いのまま木々をなぎ倒して岩にぶつかり気を失ったようだ 「ふう…マゴリスは、死んだのか?…まあいい。所詮その程度ということ…さて…」 レグザはレパードが吹き飛んだ方向と逆の方向を振りかえる 「君が一番強いようだけど…やる?」 レグザの後ろに立っていたのはドゥキエルであった 「なかなか。やるな。」 「戦っている最中に助けに入ればよかったのに…そしたらもう少し善戦できたと思うけど?」 「サシでの勝負に。手は出さん。」 「ふむ。まあ君はさっきの獣君より動きは遅そうだけど…苦戦しそうだな」
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